2010年12月18日

写真家 比嘉康雄さん


 お立ち寄りいただき有難うございます。

 比嘉康雄さんをご存じですか?

NHKの日曜美術館は好きです。夜(午後8時~)見ることが多いのですが、去った日曜日は、朝の放送(午前9時~)を見ました。

写真家 比嘉康雄さんの特集でしたが、先だって沖縄県立博物館・美術館の企画展の写真集「母たちの神 比嘉康雄写真集」を見る機会があり、さらに今回は、生前の比嘉康雄さんの思いを番組を通して拝聴させていただきました。

 基地の島沖縄の不条理に向けるファインダー、消えゆく神行事の際に向けるファインダー、人々の何気ない日常の表情に向けるファインダー、その全ては彼の琉球人としてのアイデンティへの誇りでした。

自分の根っこを感じながら愛おしみ、次代へ繋ぐ、とても大事なことです。

来る19日(日)夜8時から再放送があるようです。
私ももう一度見ようと思っています。

NHK日曜美術館番組紹介記事より
転載開始~

沖縄 母たちの神 ―写真家・比嘉康雄のメッセージ―
安里英子さん(沖縄大学非常勤講師)
神の島と呼ばれた沖縄・久高島をはじめ、島々に息づく“まつり”の世界。人々は昔から、海のかなたから神がやってくると信じ、神とのつながりを大切に生きてきた。そんな島の精神を記録し続けた人がいる。10年前に世を去った沖縄の写真家・比嘉康雄(1934-2000)。久高島・イザイホーや宮古島のウヤガンなど、いまでは失われた祭祀(さいし)を撮影、えもいわれぬ神々しさで、沖縄の心のルーツに深く迫ろうとした。
フィリピン生まれで終戦すぐ沖縄に引き揚げてきた比嘉は、高校卒業で警察官に。そこで民衆のデモに対峙(たいじ)、激動の沖縄を体感する。基地の島がもつ不条理と向き合うため、報道写真を目指す。しかし沖縄の人間として何を見つめなければいけないか、模索の末に、内的な写真世界を構築していく。独特の黒を使った陰影、写真集「生まれ島・沖縄」が出来上がった。
そんな比嘉の没後初の回顧展が沖縄で始まった。展示される「母たちの神」という162枚のシリーズ。比嘉が写真集にするため、亡くなる直前まで構想を練ったが、日の目を見ず封印されていたものだ。沖縄の不条理に向き合い、島々の祭祀にたどり着いた比嘉康雄。
沖縄に生きるとは何か、写真を読み解く作業がはじまった。

母たちの神―比嘉康雄展
会場 沖縄県立博物館・美術館  <巡回>IZU PHOTO MUSEUM(静岡県長泉町)
会期 11月2日~1月10日       1月23日~5月8日


久高島 フバワク
写真家 比嘉康雄さん


久高島 イザイホー ユクネーガミアシビ
写真家 比嘉康雄さん


宮古島 狩俣 ウヤーン
写真家 比嘉康雄さん

~転載終了


沖縄映像文化研究所記事(http://www.lico.jp/filmography/niraikanai/)より
転載開始~

「原郷ニライカナイへ」-比嘉康雄の魂- (2000年)
比嘉康雄は2000年5月13日、その1ヵ月足らず前に医師に宣告された「末期ガン」で61歳の生涯を閉じた。
その直後に出版された「日本人の魂の原郷・沖縄久高島」で、彼は「この民族の歴史を、シマ人たちは、近代のように固定された記録として伝えるのではなく、血族の祖霊たちの存在を皮膚感覚で感じ取り、祖先との一体性を実感する中で継承してきた」と書いている。
死を目前に、生まれたばかりの初孫をあやす彼の姿はあくまで平らかである。
それは、自らの魂が原郷ニライカナイへ帰り、やがて再生するという確信を得た姿であった。
琉球弧の古層にわけ入り「人間とは何か、自分とは何か」と求め続け、祭祀を通して神々との世界を発見するにいたる過程は、人類史にとってもかけがえのないことと言わねばならないだろう。
比嘉康雄は貴重な祭祀の記録とともに、今生における永遠なる姿を残していつまでも私たちとともに在る。
■DATA■
「原郷ニライカナイへ」
-比嘉康雄の魂-
(2000年作品/上映時間60分)
高校卒業と同時に警察官になるが、アメリカ占領下の沖縄の不条理な現実に矛盾を感じ、B52墜落炎上事故をきっかけに警察官をやめ、 本格的な写真の道に入る。
1972年写真集『生まれ島沖縄』を出版、その後琉球弧の祭祀世界に魅せられ、丹念かつ精力的に写真と文で記録する。
アカデミズムとは異なる在野の眼と精神によって成し遂げられた貴重な集積は、その思いの深さにおいて際立っている。
『おんな・神・まつり』で第3回太陽賞、『神々の古層』全12巻(1993年、ニライ社)で1993年度風土研究賞、日本写真家協会年度賞、第5回小泉八雲賞、沖縄タイムス出版文化賞などを受賞。
~転載終了


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Posted by Rainbow-World at 01:41│Comments(0)次代へ繋ぐこころ
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